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EDIFICE AUTOMATIC「EFK-200」編──KAMEの気になる時計たち

物欲というのは唐突に湧く。しかも、たいてい予定になかったものに湧く。

カシオのEDIFICEに機械式が出ていた。EFK-200というシリーズで、その中のEFK-200XPB-1AJFという一本が、どうにも頭から離れない。定価74,800円(税込)、実売は6万円を切るあたり。日本製の自動巻きで、サファイアガラスに10気圧防水、裏はシースルーバック。

結論から言えば、かなり欲しい。ただし定価では買わない。その理由まで書く。

この記事について:筆者はこの時計を所有していません。2026年7月に量販店で実機を見た印象と、メーカー公表値・販売ページの情報をもとに書いています。長期の装着感や精度の実測は含みません。

EDIFICEに機械式が来ていた

EDIFICEといえば、私の中では長らくクォーツとソーラーの印象だった。モータースポーツ寄りの顔つきで、多機能で、正確で、そして機械式ではない。少なくとも自分の記憶ではそういうブランドだった。

そこに自動巻きである。発表が2026年6月30日、発売が7月17日。出たばかりだ。

シリーズは全5型。文字盤ブラックのEFK-200CD-1A、ブルーのD-2A、レッドのD-4Aが55,000円、ブラウンのDG-5Aが66,000円、そして今回気になっているXPB-1Aが74,800円(すべて税込)。つまりXPBはシリーズの最上位価格にあたる。この価格差が、最後にどれを選ぶかの分かれ目になる。

で、実物はどう見えたのか

家電量販店で現物を見た。

まず目を引くのが文字盤だ。フォージドカーボンという素材で、細かい繊維が固まって流れたような、マーブル模様が出ている。この模様は一枚ごとに違うらしい。写真では黒い盤にしか見えないが、実際には見る角度と光の当たり方でずいぶん表情が変わる。立ち位置を少しずらすだけで、模様の走り方が違って見えた。

正直に言えば、この価格帯の時計で「高級感がある」と口にするのは気恥ずかしい。だが実物を見ると、そう言うしかない見え方をしている。単色の黒い盤とは明確に違う。

そしてもう一つ、裏側だ。シースルーバックになっていて、ローターが動くのが見える。機械式を買う理由の何割かは、正直これだと思っている。時刻を知るだけならスマホで足りる時代に、わざわざゼンマイで動く箱を手首に巻く。その言い訳として、裏返して中身を眺められるというのは、なかなか強い。

ケースは縦43.8×横38.8mm、厚さ11.9mm。数字だけ見ると薄くはないが、横38.8mmという幅は今どきの機械式としてはむしろ小ぶりな部類だ。重量81gも、ステンレス無垢のブレスモデルからすればずいぶん軽い。カーボンケースとウレタンバンドという構成が、そのまま重量に出ている。

数字の話をしておく

項目内容
商品名カシオ EDIFICE EFK-200XPB-1AJF(海外表記:EFK-200XPB-1A)
メーカー/シリーズカシオ計算機/EDIFICE(EFK-200シリーズ)
ムーブメント日本製メカニカルムーブメント(自動巻き)※キャリバー名は公式リリースに記載なし・要確認
パワーリザーブ約42時間(販売ページ記載・要確認)
防水性能10気圧防水
風防サファイアガラス
ケース素材ステンレススチール(タフプレーティング加工)+フォージドカーボン
ケースサイズ縦43.8×横38.8×厚さ11.9mm
重量81g
バンドウレタン
文字盤ブラック/フォージドカーボン
裏蓋シースルーバック
希望小売価格74,800円(税込)
実売参考価格59,840円(2026年7月23日時点・楽天市場)※変動あり・要確認
発売日2026年7月17日
公式サイトhttps://www.casio.com/jp/watches/edifice/product.EFK-200XPB-1A/

見た目の話ばかりでも仕方がないので、この表の読みどころを3つ挙げておく。

  • サファイアガラス:この価格帯ならミネラルガラスで済ませる選択肢もある中で、傷に強いサファイアを載せてきた。鍵や小銭と一緒に鞄へ放り込むような扱いをしても、表面が細かい傷で白く曇りにくい。地味だが、数年後の見た目に差が出る部分だ
  • 10気圧防水:日常生活で困る場面はまず無い。手を洗うたび、雨が降るたびに気を遣わずに済むというのは、機械式の一本目として相当ありがたい
  • 約42時間のパワーリザーブ:金曜の夜に外して月曜の朝に着けると止まっている、くらいの目安だ。突出して長くはないが、標準的な水準

見栄えの話とは別に、実用の要点はきちんと押さえている。ここを削らなかったのは良心的だと思う。

値段の話をしよう

さて、ここからが本題である。

「機械式の入門に手頃」と言いたくなるのだが、少し立ち止まりたい。このXPB-1Aはシリーズで最も高い。同じEFK-200で、同じ自動巻き、同じシースルーバックのモデルが55,000円からある。差額はおよそ2万円だ。

その2万円は何に払うのか。フォージドカーボンのケースと文字盤、これに尽きる。逆に言えば、あのマーブル模様に2万円の価値を感じないなら、55,000円のモデルを買うのが正解ということになる。

「カシオに6万も出すのか」と言われそうだが、これはおっしゃる通りで、私も店頭で同じことを一瞬考えた。ただ、機械式でサファイアガラスで10気圧防水という条件で他を探すと、この値段はむしろ健闘している部類に入る。セイコー5スポーツやオリエントあたりが競合になるが、あちらはサファイアでない構成も多い。

そして実売だ。定価74,800円に対して、楽天では59,840円で出ていた(2026年7月23日時点・変動あり)。この差はさすがに無視できない。約1万5,000円である。定価で買う理由は、今のところ見当たらない

余談だが、先日は百貨店で百万円台の時計を眺めてため息をついてきたばかりだ。あちらは「よし一本もらっていくか」とレジに運べる金額ではなかった。それに比べれば、これは手が届く。手が届く物欲というのは、抗いにくくてかなわない。

買うのか、買わないのか

購入検討度:★★★★★★★★☆(8/10)
減点は、製品の出来ではなくウレタンバンドにある。夏場は快適だろうが、仕事で着ける前提だとやや軽く見える。ここは革かメタルに替えることを前提に考えたい。

買う条件は3つ。

  1. 実売6万円を切っていること(定価では買わない)
  2. 手首に載せて違和感がないこと(縦43.8mmが自分の手首でどう出るか未確認)
  3. バンド交換

結局のところ

機械式を一本目に選ぶなら、なかなか良いところを突いてきた一本だと思う。サファイアと10気圧防水という実用の土台があって、その上にフォージドカーボンという分かりやすい見どころが載っている。

ただし「入門に手頃」と言うなら、それは55,000円のモデルの話だ。XPBを選ぶのは、あのマーブル模様に2万円払うと決めた人間である。私はたぶん、払う側にいる。

次に見かけたら、今度は手首に載せてくるつもりだ。


参考

  • カシオ公式:https://www.casio.com/jp/watches/edifice/product.EFK-200XPB-1A/
  • ニュースリリース:https://www.casio.co.jp/release/2026/0630-efk-200/
  • この記事を書いた人
KAME

KAME

省エネ志向のカメ。見た目そのまま緩慢ないきもの。普段からマイペースだが、食にはうるさい。LEGOやゲームもたしなむがやっぱり動作はのんびり。たまに腕時計も巻いている。

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