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ロンジン マスターコレクション L2.843.4.93.2 ──この時計がほしい

ロンジンのマスターコレクション、型番 L2.843.4.93.2。ケース径38.50mm、厚さ10.20mm、自動巻きキャリバー L893.5 を積み、パワーリザーブは約72時間。発売時の定価は 378,400円(税込)だった。


この記事について:筆者はこの時計を所有しておらず、実機も確認していません。ロンジン公式サイト、スウォッチ グループ ジャパンの発表資料、および国内取扱店の公表情報をもとに執筆した記事です。実機を確認できた際には、あらためて情報を追記します。

この時計の位置づけ

マスターコレクションはロンジンの機械式の中核にあたる系列で、ドレスウォッチ寄りの意匠でまとめている。

その中で、2022年に創業190周年の記念モデルが出た。センターセコンドの40mm径で、盤面にはブレゲ数字が彫り込まれていた。この意匠を翌2023年、ケース径を38.50mmに縮め、6時位置にスモールセコンドを置いたレギュラーモデルとして展開したのがこの時計だ。発売は2023年8月22日、文字盤は3色展開。シルバーのL2.843.4.73.2、サーモンのL2.843.4.93.2、アンスラサイトのL2.843.4.63.2という構成だ。

この時計を知った経緯

記念モデルの意匠がレギュラーラインに降りてきた、という筋書きが最初だった。周年記念のモデルから、レビューを読んで気になっていた。

そのうえで気になったのが、サーモンというダイヤルの色だ。公式やメディアに載っている写真を見ると、このモデルの文字盤はもっと濃い。橙というより銅色で、光の当たっている縁のあたりは金属そのものの色に近い。縦方向のヘアライン仕上げが入っているせいで、見る角度によって明るい帯と暗い帯が入れ替わる。写真ごとに色が違って見えるのも、おそらくこの仕上げのせいだろう。

つまり、この文字盤の色調がサーモンなのかカッパ―なのかは、写真では判然としない。撮影時の光源と角度で相当変わるからだ。もうひとつ、写真では判断のつかないものがある。ブレゲ数字だ。これは印刷でも植字でもなく、盤面に彫り込まれている。伝えられるところでは、数字ひとつを彫るのに約6分、一枚を仕上げるのに計80分かかるという(※出所は取扱メディアの記事)。工数の話はさておき、彫った溝は光を受けて初めて陰影が出る。平面の写真では、彫刻なのか濃い印刷なのかがほとんど見分けられない。

※シルバー文字盤のモデルの盤面

スペックを読む

項目内容
商品名ロンジン マスターコレクション
型番L2.843.4.93.2
ブランド/シリーズLONGINES(スイス)/Master Collection
ムーブメントロンジン エクスクルーシブ L893.5(自動巻き)※発表資料に L893 表記あり・要確認
ヒゲゼンマイシリコン製
パワーリザーブ約72時間
機能時・分/スモールセコンド(6時位置)/カレンダーなし
防水性能3気圧防水
風防サファイアクリスタル(無反射コーティング)
ケース素材ステンレススティール
ケース径38.50mm
ケース厚10.20mm
ラグ幅20mm
文字盤サーモン/縦ヘアライン仕上げ、ブレゲ数字をエングレービング
ブラック
裏蓋シースルーバック
ストラップグレーのアリゲーター(ベジタブルタンニン/バローロ仕上げ)/トリプルセーフティ三つ折れバックル
希望小売価格378,400円(税込・2023年8月22日発売時)
参考・現行定価403,700円(税込)※記事作成時
発売日2023年8月22日
公式サイトhttps://www.longines.com/jp/p/watch-longines-master-collection-l2-843-4-93-2

数字で見るべきは、まず厚さの10.20mmだ。72時間巻きの自動巻きでこの厚さに収まっているのは、素直に扱いやすい。径38.50mmと合わせて、袖の下に入る寸法だ。

ヒゲゼンマイがシリコン製である点も実用面に効いてくる。金属のヒゲゼンマイは磁気を帯びると精度が狂うが、シリコンは磁気を帯びない。パソコンやスピーカーの周りで一日を過ごす人間にとっては、これは実用的でポジティブな仕様だ。

一方、3気圧防水は日常生活防水の水準にとどまる。手を洗う程度は想定されているが、水仕事や汗をかく場面に持ち出す時計ではない。アリゲーターのストラップについても、インドア用途の割り切りではある。

カレンダーが無いノンデイトも仕様として一貫している。ブレゲ数字を12ヶ所すべて彫った盤面に日付窓を開ければ、数字がひとつ欠けることになる。盤面の意匠を優先した設計だろう。

価格をどう見るか

発売時の定価は378,400円(税込)。現在の国内定価は403,700円(税込)とされている(※要確認)。3年で25,000円あまり、率にして7パーセントほどの上げ幅にあたる。

この数年、スイス製の機械式は軒並み値を上げてきた。同じ時期に2割3割動いた銘柄を思えば、この上げ幅は小さい部類に入る。ロンジンはスウォッチ グループの中位に位置するブランドで、その立ち位置が価格の抑制に働いているのだろう。40万円という金額をどう見るかは、比較の相手による。自社ムーブメント・72時間・シリコンヒゲ・シースルーバック・アリゲーターという内容で、上の価格帯へ行けば同等の仕様はいくらでもある。逆に下の価格帯には、彫り込みの盤面を持つ時計がほとんどない。この一本の値段は、盤面の作り込みに払うものだと考えるのが素直だ。

問題は、その盤面が3色あり、しかも元になった記念モデルもまだ市場に残っていることだ。

別の選択肢

この時計を考えるうえで、別の選択肢も並べておく。

ロンジン マスターコレクション L2.843.4.73.2(シルバー)

発売時の定価349,800円(税込・要確認)。ケースもムーブメントも彫り込みの意匠もサーモンと共通で、違うのは盤面の色と針だけだ。こちらはサンレイ仕上げのシルバーに、ブルースティールの針が載る。3万円弱安い。同じ器を買う以上、この差額はまるごと色の代金ということになる。ドレスウォッチとして無難に長く使うなら、選ばれるのはおそらくこちらだろう。

ロンジン マスターコレクション 190周年記念モデル(センターセコンド・40mm)

意匠の出どころにあたる2022年の一本。ケース径は40mmとやや大きく、秒針は中心にある。盤面はシルバー。市場にはまだ新品が残っているという(※在庫状況・型番ともに要確認)。記念モデルという性格が付くぶん、後から手に入れにくくなるのはこちらだ。径が2mm近く大きいことをどう見るかで判断が割れる。

NOMOS Ludwig 38

ドイツのバウハウス系。同じ「小径・スモールセコンド・ドレス」という枠に入りながら、思想は正反対にある。盤面には彫刻も装飾も入れず、必要な要素だけを置く設計だ。国内価格は30万円台とされる(※要確認)。彫り込まれた数字に金を払うのか、何も足さない面に金を払うのか。並べてみると、この価格帯で自分が何を買おうとしているのかが分かりやすくなる。

三本を並べて、私が引っかかっているのは結局ひとつだと分かった。仕上げでも寸法でもなく、サーモンと呼ばれるあの色である。

買うか、買わざるか

購入検討度:★★★★★★★★☆☆(8/10)

★を落とした理由は二つある。ひとつは3気圧防水とアリゲーターという組み合わせで、これは場面を選ぶ時計だということ。もうひとつは、選ぶ理由の盤面を実機で確認できていないことだ。

買うとすれば条件は決まっている。色違いのモデルを並べて見ること。 写真ごとに色が変わる盤面である以上、一本だけを見ても比較にならない。3色を扱う販売店で、同じ光の下で確認する必要がある。

ストラップはいずれ替えることになるだろうが、ラグ幅20mmなので不自由はしない。

追記の予定

現時点で書けるのはここまでだ。実物を見られたら、サーモンカラーと呼ばれる文字盤がどう見えたか、彫り込まれたブレゲ数字の陰影がどう出るかなどを確認したい。


参考

  • ロンジン公式(L2.843.4.93.2):https://www.longines.com/jp/p/watch-longines-master-collection-l2-843-4-93-2
  • スウォッチ グループ ジャパン 発表資料(2023年7月26日):https://swatchgroup.jp/topics/2023/7/26/longines-master-collection
  • HODINKEE Japan:https://hodinkee.jp/articles/longines-master-collection-38-5-mm-small-second-sponsored
  • 楽天(threec-web):https://item.rakuten.co.jp/threec-web/l28434932/
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アストロペンギン

アストロペンギン

星を見るペンギン。カメラで写真を撮ることが多い。劇場やコンサートホールに出没しがち。寒さには強い。

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